重ね描き日記(rmaruy_blogあらため)

読書メモ、探求メモなど。

読書メモ

読書メモ:意識の神秘を暴く(ファインバーグ&マラット 著、鈴木大地訳)…進化的起源から解明される意識の謎

意識の神秘を暴く: 脳と心の生命史 作者:ファインバーグ,トッド・E.,マラット,ジョン・M. 発売日: 2020/04/16 メディア: 単行本 『意識の神秘を暴く(Consciousness Demystified)』は、そのタイトルが示すとおり、 意識現象の科学的解明を目指した一冊であ…

読書メモ:Galileo's Error (by Philip Goff)…なぜ意識の科学に「汎心論」が必要か

Galileo's Error: Foundations for a New Science of Consciousness 作者:Goff, Philip 発売日: 2019/11/07 メディア: ペーパーバック 心の哲学や意識の科学をフォローしていると、最近「汎心論」という言葉をよく聞く。心の哲学における汎心論とは、「意識…

読書メモ:デジタルで読む脳×紙の本で読む脳(メアリアン・ウルフ著、大田直子訳)

デジタルで読む脳 X 紙の本で読む脳 :「深い読み」ができるバイリテラシー脳を育てる 作者:メアリアン・ウルフ 出版社/メーカー: インターシフト (合同出版) 発売日: 2020/02/06 メディア: 単行本 Reader, Come Home: The Reading Brain in a Digital World …

精読メモ:『心にとって時間とは何か』(青山拓央 著)

以下は、青山拓央著『心にとって時間とは何か』の読書会(2020年2月6日開催、@下北沢ダーウィンルーム)用に作成した、読書メモです。 【注】本メモには、丸山個人の解釈が多分に含まれ、著者の意図を曲解している点も多数あるかもしれません。メモの内容に…

読書メモ:地球に降り立つ(ブルーノ・ラトゥール著、川村久美子訳)…気候変動に政治的に立ち向かう私たちの「敵」

地球に降り立つ: 新気候体制を生き抜くための政治 作者:ブルーノ ラトゥール 出版社/メーカー: 新評論 発売日: 2019/12/20 メディア: 単行本 年始から、気候変動のことを考えてしまう。 テレビを見ていても、いろんなことが気になる。台風やゲリラ豪雨などの…

読書メモ:〈現実〉とは何か(西郷甲矢人・田口茂 著)…固着した探究から、自由な探究へ

〈現実〉とは何か (筑摩選書) 作者:西郷 甲矢人,田口 茂 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2019/12/13 メディア: 単行本(ソフトカバー) 著者は、数理物理学者の西郷甲矢人氏と、現象学者の田口茂氏。分野も世代も違う二人だが、あとがきによれば両者は9…

読書メモ:The Physicist & the Philosopher (by Jimena Canales)…アインシュタインとベルクソンは時間をめぐって何を争ったのか

The Physicist & the Philosopher: Einstein, Bergson, and the Debate That Changed Our Understanding of Time 作者:Jimena Canales 出版社/メーカー: Princeton Univ Pr 発売日: 2015/05/26 メディア: ハードカバー 科学史家ヒメナ・カナレス(Jimena Can…

【再掲】読書メモ:21世紀の啓蒙(スティーブン・ピンカー)

21世紀の啓蒙 上: 理性、科学、ヒューマニズム、進歩 作者:スティーブン・ピンカー 出版社/メーカー: 草思社 発売日: 2019/12/18 メディア: 単行本 21世紀の啓蒙 下: 理性、科学、ヒューマニズム、進歩 作者:スティーブン・ピンカー 出版社/メーカー: 草思社…

読書メモ:心にとって時間とは何か(青山拓央 著)…性急で、たぶん蛇足な第一印象としての感想と称揚

心にとって時間とは何か (講談社現代新書) 作者:青山 拓央 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2019/12/11 メディア: 新書 待ちに待った、青山拓央先生の時間本が出た。出たのが今日だ。さっそく読んだ。読み終えて即、感想を書こうとしている。そのことに、後…

読書メモ:情動はこうしてつくられる(リサ・フェルドマン・バレット 著、高橋洋 訳)

情動はこうしてつくられる──脳の隠れた働きと構成主義的情動理論 作者: リサ・フェルドマン・バレット,高橋洋 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店 発売日: 2019/10/31 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 情動(emotion)の研究を続けてきた心理学者・…

物理学者と哲学者は「時間」を語ってどうすれ違うのか…『〈現在〉という謎』を読んで

〈現在〉という謎: 時間の空間化批判 作者: 森田邦久 出版社/メーカー: 勁草書房 発売日: 2019/09/27 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 物理学者と哲学者によるシンポジウムをもとに企画された論考集。各章では時間論、とくに「現在」の概念を巡…

読書メモ(勉強モード):Understanding Scientific Understanding(by Henk W. de Regt)~理解できないものを理解するために、まずは理解を理解する~

科学というのは、その成り立ちや動作原理が未知の対象――宇宙、生命、脳など――を「理解する」ための営みと言える。だが、ときに「科学的に理解するとはどういうことなのか」がわからなくなることがある。本ブログでは、一貫してそれについて考えてきた。 どう…

読書メモ:情動の哲学入門(信原幸弘 著)…世界はあらかじめエモいのか

情動の哲学入門: 価値・道徳・生きる意味 作者: 信原幸弘 出版社/メーカー: 勁草書房 発売日: 2017/11/10 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る 最近、怒りっぽくなっている。家族からの何気ない一言にカッとなり、会社で投げかけられた自分…

読書メモ:機械翻訳と未来社会(瀧田、西島、羽成、瀬上)…壁はなくならない、でも言語は変わるかも

機械翻訳と未来社会 -言語の壁はなくなるのか 作者: 瀧田寧,西島佑,羽成拓史,瀬上和典 出版社/メーカー: 社会評論社 発売日: 2019/07/12 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る いま、機械翻訳が熱い。 ここ数年、翻訳エンジンの性能…

読書メモ:解離をめぐる2冊(柴田雅俊『解離性障害』、岡野憲一郎『解離新時代』)

解離性障害にまつわる本を二冊読んだ。 解離性障害―「うしろに誰かいる」の精神病理 (ちくま新書) 作者: 柴山雅俊 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2007/09/01 メディア: 新書 購入: 6人 クリック: 48回 この商品を含むブログ (18件) を見る 解離新時代―…

読書メモ:哲学の誕生(納富信留 著)…無知の知から、不知の自覚へ

「無知の知」という言葉に、ずいぶん助けられてきたように思う。 私は、極度にものを知らない人間だ。ものごころついて以来、わけがわかったためしがない。25歳くらいまで、なぜか「バジル」と「しそ」が同じ野菜だと思っていた。小学生のころからお前の服装…

近刊紹介メモ:『思いどおりになんて育たない:反ペアレンティングの科学』(アリソン・ゴプニック 著、渡会圭子 訳、森口佑介 解説)…【編集担当による紹介文】

思いどおりになんて育たない: 反ペアレンティングの科学 作者: アリソン・ゴプニック,渡会圭子,森口佑介 出版社/メーカー: 森北出版 発売日: 2019/07/20 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 私の一日は、2歳の娘を保育園に送り届けることから始ま…

読書メモ(勉強モード):なぜ科学は多元的であるべきなのか(Hasok Chang, "Is Water H2O?", 第5章)

Is Water H2O?: Evidence, Realism and Pluralism (Boston Studies in the Philosophy and History of Science Book 293) (English Edition) 作者: Hasok Chang 出版社/メーカー: Springer 発売日: 2012/05/23 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (1件…

読書メモ(勉強モード):Mental Time Travel (by Kourken Michaelian)…記憶とは過去のシミュレーションである【前編】

Mental Time Travel: Episodic Memory and Our Knowledge of the Personal Past (Life and Mind: Philosophical Issues in Biology and Psychology) (English Edition) 作者: Kourken Michaelian 出版社/メーカー: The MIT Press 発売日: 2016/02/19 メディ…

【再掲】読書メモ:人が自分をだます理由(ロビン・ハンソン、ケヴィン・シムラ―著)

人が自分をだます理由:自己欺瞞の進化心理学 作者: ロビン・ハンソン,ケヴィン・シムラー,大槻敦子 出版社/メーカー: 原書房 発売日: 2019/02/27 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る こちらの本が翻訳出版されていました。原書の読書メモを再掲し…

読書メモ:Why?: What Makes Us Curious (by Mario Livio)…好奇心をめぐる好奇心

Why?: What Makes Us Curious 作者: Mario Livio 出版社/メーカー: Simon & Schuster 発売日: 2017/07/11 メディア: ペーパーバック この商品を含むブログを見る 著者のマリオ・リヴィオ氏は天体物理学者。一流のポピュラーサイエンスの書き手としても知ら…

読書メモ(解説モード):水の電気分解の何が謎だったのか(Chang 2012, 第2章)

Is Water H2O?: Evidence, Realism and Pluralism (Boston Studies in the Philosophy and History of Science Book 293) (English Edition) 作者: Hasok Chang 出版社/メーカー: Springer 発売日: 2012/05/23 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (1件…

日々の雑記メモ:イチロー引退会見と、森田真生『数学の贈り物』のこと

イチローが引退した。ここ数日、自分の心をそのことが占めている。 木曜日、偶然見ていた野球中継で、その日が彼の現役最後の日となることを知る。結局、深夜の引退会見までぶっ通しで見た。驚いたことその1。イチローが自分にとって思った以上に大きい存在…

読書メモ:科学哲学の源流をたどる(伊勢田哲治 著)

科学哲学の源流をたどる:研究伝統の百年史 (叢書・知を究める) 作者: 伊勢田哲治 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房 発売日: 2018/11/08 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 「伊勢田先生の新刊だ!」と思って買ったものの、「え、19世紀の歴史? …

読書メモ:AI社会の歩き方(江間有沙 著)…AIと社会について、誰が・どこで・何を話しているのか

AI社会の歩き方―人工知能とどう付き合うか (DOJIN選書) 作者: 江間有沙 出版社/メーカー: 化学同人 発売日: 2019/02/28 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 本ブログの2016年末の記事「人工知能をトランスサイエンス問題として考…

新刊紹介メモ:ブラックホールと時空の方程式(小林晋平 著)…【編集担当による紹介】

ブラックホールと時空の方程式:15歳からの一般相対論 作者: 小林晋平 出版社/メーカー: 森北出版 発売日: 2018/12/12 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 私は大学では主に物理学を学んだのだが、「一般相対論」は4年間のカリキュラムの最…

読書メモ:機械カニバリズム(久保明教 著)…「AIは人間を超えるか」談義をそろそろやめるべき理由

機械カニバリズム 人間なきあとの人類学へ (講談社選書メチエ) 作者: 久保明教 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2018/09/12 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (1件) を見る 人工知能ブームが終わりかけている。 AI関連本を何冊か企画…

読書メモ:Lost Connections(by Johann Hari)…うつ病は「つながりの病」である

Lost Connections: Why You're Depressed and How to Find Hope 作者: Johann Hari 出版社/メーカー: Bloomsbury Publishing PLC 発売日: 2018/01/11 メディア: ペーパーバック この商品を含むブログを見る 「自分は決してうつ病にならない」と、自信をもっ…

読書メモ:「人工知能」前夜(杉本舞 著)…本気の科学史からAIを考える

「人工知能」前夜 作者: 杉本舞 出版社/メーカー: 青土社 発売日: 2018/10/19 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 1940~1960年代の計算機科学と人工知能の研究史をたどった一冊。著者の杉本舞氏は20世紀の科学技術史、とくに1930~1950年代のコン…

読書メモ:Mind-Body Problems (by John Horgan)…心身問題はなぜ人生の問題になるのか?

Mind-Body Problems: Science, Subjectivity & Who We Really Are (English Edition) 作者: John Horgan 発売日: 2018/09/05 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 『サイエンティフィック・アメリカン』誌のライターとして有名な、ジョン・ホーガ…