重ね描き日記(rmaruy_blogあらため)

読書メモ、探究メモなど。

2022-01-01から1年間の記事一覧

2022年を振り返る

今年も「今年一年を振り返らなければ」という強迫観念に駆られる時期がきた。一年を振り返らずになんとなく新年を迎えるのが耐えがたいことのように感じられるのは、自分の生きた時間の流れを「言葉」でパッケージングしておかなければその時間が散逸して無…

読書メモ:『想起:過去に接近する方法』(森直久 著)

想起: 過去に接近する方法 (知の生態学の冒険 J・J・ギブソンの継承 7) 作者:森 直久 東京大学出版会 Amazon 本書は、「記憶」や「想起」を研究テーマとする心理学者が、過去1世紀の記憶をめぐる学説史や、自身の実験研究をたどりながら、ギブソンの知覚理論…

読書メモ:世界は時間でできている(平井靖史 著)

世界は時間でできている──ベルクソン時間哲学入門 作者:平井 靖史 青土社 Amazon 本書は、19~20世紀に活躍したフランスの哲学者アンリ・ベルクソンの時間哲学の全貌を、長年ベルクソン哲学の勢力的な研究を続け、日本だけでなく世界的な研究コミュニティづ…

「35歳からの探究活動」心得

2022年度から高校では「総合的な探究の時間」という新科目が始まったと聞くが、私は大人になってから、細々と、自分のためだけの「探究活動」を行ってきた(「独学」*1でも「勉強」*2でもいい)。 面白そうな本を読んで感想を書いたり、気になるテーマについ…

鑑賞メモ:映画『In Silico』――巨大科学プロジェクト10年の顛末と教訓

映画『In Silico』(2020年、映画サイト)を見た。一般公開はされていないため、権利者と契約を交わして「バーチャル上映会」を実施する形となった。知り合いに紹介したりソーシャルメディア等で募るなどして、数十人の方に視聴いただいた(2022年3月11~12…

読書メモ:精神を切る手術(橳島次郎 著)

精神を切る手術――脳に分け入る科学の歴史 作者:ぬで島 次郎 岩波書店 Amazon 生命倫理や科学政策を専門する著者による、2012年の単著。脳神経倫理では繰り返し言及される文献であり、いつか読まねばと思っていた。残念ながら絶版となっているのだが、今回意…