技術と未来
ニューロテクノロジー: 脳の監視・操作と人類の未来 作者:ニタ・A・ファラハニー 河出書房新社 Amazon ニタ・ファラハニーの”The Battle for Your Brain”の邦訳が出版されたので、原著の感想文を再掲します。小見出しや引用の翻訳は、邦訳書のものではないの…
本日、早稲田大学で行われた科学基礎論学会のシンポジウム「AIは科学をどう変えるのか?」を聴講した。 オーガナイザーは大塚淳氏、提題者は橋本幸士氏、高橋恒一氏、呉羽真氏の3名。AIによる科学のパイオニア、あるいはAI科学を哲学から論じてきた研究者と…
2024年4月4日に、独立研究者の高木史郎さんとともに、オンライン勉強会「AI科学を哲学する?」を開催しました。以下はその簡単な記録です。 開催の経緯 発端は、昨年末に高木さんがArxivに投稿されたプレプリント論文でした。機械学習の研究者として、自律的…
The Battle for Your Brain: Defending the Right to Think Freely in the Age of Neurotechnology (English Edition) 作者:Farahany, Nita A. St. Martin's Press Amazon 脳から情報をとる、脳に直接働きかける。5年前なら「未来の話」だったであろうニュー…
テクノロジーとイノベーション―― 進化/生成の理論 作者:W・ブライアン・アーサー みすず書房 Amazon 長年サンタフェ研究所に籍を置き、「複雑系経済学」の牽引者として知られるW・ブライアン・アーサー氏による著作。原書が2009年、翻訳が2011年に出ている…
不定性からみた科学―開かれた研究・組織・社会のために― 作者:吉澤 剛 名古屋大学出版会 Amazon 科学の語りがたさを語る教科書 科学とは何か。科学で何がわかるのか。自分たちにどんな恩恵があるのか。どうやって推進すべきなのか。誰が責任をもつのか。大…
Atlas of AI: Power, Politics, and the Planetary Costs of Artificial Intelligence 作者:Crawford, Kate 発売日: 2021/04/06 メディア: ハードカバー AI(人工知能)は福音か、脅威か。 どうすれば、私たちはAIとよりよく付き合っていけるのか。 そうした…
科学とはなにか 新しい科学論、いま必要な三つの視点 (ブルーバックス) 作者:佐倉 統 発売日: 2020/12/17 メディア: 新書 2020年はとくに「科学とはなにか?」を考えたくなる一年だった。 感染症対策で専門家会議や分科会が組織され、連日テレビには様々な科…
記憶のデザイン (筑摩選書) 作者: 山本貴光, 発売日: 2020/10/15 メディア: 単行本(ソフトカバー) 自分の記憶、大丈夫か? と、時々不安になる。人やものの名前が思い出せなかったり、漢字が書けなかったり、というのは前からあるが、それとはちょっと違う…
筆者が企画・編集で携わった翻訳書、『機械翻訳:歴史・技術・産業』の紹介記事です。同書は2020年9月29日前後の発売予定です。 機械翻訳:歴史・技術・産業 作者:ティエリー・ポイボー 発売日: 2020/09/29 メディア: 単行本(ソフトカバー) 「機械翻訳」――…
記:丸山隆一(@rmaruy) ブルーノ・ラトゥールの取説 (シリーズ〈哲学への扉〉) 作者:久保明教 発売日: 2019/08/09 メディア: 単行本 久保明教による『ブルーノ・ラトゥールの取説』(以下、『取説』)は、ブルーノ・ラトゥールという哲学者の著作について…
デジタルで読む脳 X 紙の本で読む脳 :「深い読み」ができるバイリテラシー脳を育てる 作者:メアリアン・ウルフ 出版社/メーカー: インターシフト (合同出版) 発売日: 2020/02/06 メディア: 単行本 Reader, Come Home: The Reading Brain in a Digital World …
21世紀の啓蒙 上: 理性、科学、ヒューマニズム、進歩 作者:スティーブン・ピンカー 出版社/メーカー: 草思社 発売日: 2019/12/18 メディア: 単行本 21世紀の啓蒙 下: 理性、科学、ヒューマニズム、進歩 作者:スティーブン・ピンカー 出版社/メーカー: 草思社…
先月、イーロン・マスク氏が率いるNeuralink社の発表が話題を呼びました。 これは、同社が開発した脳とコンピュータをつなぐ技術、いわゆるブレイン・マシン・インターフェース(BMI)の最新の成果に関するものでした。細いファイバー状の電極を、ロボット技…
機械翻訳と未来社会 -言語の壁はなくなるのか 作者: 瀧田寧,西島佑,羽成拓史,瀬上和典 出版社/メーカー: 社会評論社 発売日: 2019/07/12 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る いま、機械翻訳が熱い。 ここ数年、翻訳エンジンの性能…
AI社会の歩き方―人工知能とどう付き合うか (DOJIN選書) 作者: 江間有沙 出版社/メーカー: 化学同人 発売日: 2019/02/28 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 本ブログの2016年末の記事「人工知能をトランスサイエンス問題として考…
海を撃つ――福島・広島・ベラルーシにて 作者: 安東量子 出版社/メーカー: みすず書房 発売日: 2019/02/09 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る とある方からプレゼントいただいて、この本を読んだ。著者の名前は知らなかった。というか、これが一体…
機械カニバリズム 人間なきあとの人類学へ (講談社選書メチエ) 作者: 久保明教 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2018/09/12 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (1件) を見る 人工知能ブームが終わりかけている。 AI関連本を何冊か企画…
「人工知能」前夜 作者: 杉本舞 出版社/メーカー: 青土社 発売日: 2018/10/19 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 1940~1960年代の計算機科学と人工知能の研究史をたどった一冊。著者の杉本舞氏は20世紀の科学技術史、とくに1930~1950年代のコン…
ホモ・デウス 上: テクノロジーとサピエンスの未来 作者: ユヴァル・ノア・ハラリ,柴田裕之 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2018/09/05 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る ホモ・デウス 下: テクノロジーとサピエンスの未来 作者:…
人間の解剖はサルの解剖のための鍵である 作者: 吉川浩満 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2018/07/19 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 在野の著述家として活躍する吉川浩満さんが、ここ数年さまざまな媒体で発表してきた文章を…
あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠 作者: キャシー・オニール,久保尚子 出版社/メーカー: インターシフト 発売日: 2018/06/18 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 原書タイトルは"Weapons of Math Destruction"。 「…
Enlightenment Now: The Case for Reason, Science, Humanism, and Progress 作者: Steven Pinker 出版社/メーカー: Viking 発売日: 2018/02/13 メディア: ペーパーバック この商品を含むブログを見る 昨年から出る出ると話題になっていた、スティーブン・ピ…
近代日本一五〇年――科学技術総力戦体制の破綻 (岩波新書) 作者: 山本義隆 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2018/01/20 メディア: 新書 この商品を含むブログ (2件) を見る 今年は、明治維新から150年目だという。言われてみれば、という感じだ。 150年と…
Homo Deus: A Brief History of Tomorrow 作者: Yuval Noah Harari 出版社/メーカー: Harvill Secker 発売日: 2016/09/08 メディア: ペーパーバック この商品を含むブログを見る 話題の歴史学者、ユヴァル・ノア・ハラリ氏の最新作。人類の全歴史を独自の切…
サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福 作者: ユヴァル・ノア・ハラリ,柴田裕之 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2016/09/08 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (26件) を見る サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福 作者: ユヴァル・ノ…
人間さまお断り 作者: ジェリー・カプラン,安原和見 出版社/メーカー: 三省堂 発売日: 2016/08/11 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 昨年の夏、原書で読んだ本。翻訳が出たので、感想文を再掲します。タイトルの訳し方は上手いですね。 *** H…
ビッグデータと人工知能 - 可能性と罠を見極める (中公新書) 作者: 西垣通 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2016/07/20 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る どんな技術革新の「ブーム」にも、それに油を注ぐ(あおる)人と、水を掛けて火消し…
人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊 (文春新書 1091) 作者: 井上智洋 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2016/07/21 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る ここ数年AIブームで出てきた二つの懸念、つまり 人工知能が高度になりすぎて、制御不能…
祝日の昨日、トークイベントに行ってきた。またも人工知能の話だ。 ICC ONLINE | オープン・サロン スペシャル・トーク「シンギュラリティ:人工知能から超知能へ」 最近すっかり「人工知能」という言葉に敏感になっていて、読む本もブログに書くのも、気づ…