重ね描き日記(rmaruy_blogあらため)

読書メモ、探求メモなど。

哲学

読書メモ(勉強モード):Understanding Scientific Understanding(by Henk W. de Regt)~理解できないものを理解するために、まずは理解を理解する~

科学というのは、その成り立ちや動作原理が未知の対象――宇宙、生命、脳など――を「理解する」ための営みと言える。だが、ときに「科学的に理解するとはどういうことなのか」がわからなくなることがある。本ブログでは、一貫してそれについて考えてきた。 どう…

読書メモ:情動の哲学入門(信原幸弘 著)…世界はあらかじめエモいのか

情動の哲学入門: 価値・道徳・生きる意味 作者: 信原幸弘 出版社/メーカー: 勁草書房 発売日: 2017/11/10 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る 最近、怒りっぽくなっている。家族からの何気ない一言にカッとなり、会社で投げかけられた自分…

読書メモ:哲学の誕生(納富信留 著)…無知の知から、不知の自覚へ

「無知の知」という言葉に、ずいぶん助けられてきたように思う。 私は、極度にものを知らない人間だ。ものごころついて以来、わけがわかったためしがない。25歳くらいまで、なぜか「バジル」と「しそ」が同じ野菜だと思っていた。小学生のころからお前の服装…

読書メモ(勉強モード):なぜ科学は多元的であるべきなのか(Hasok Chang, "Is Water H2O?", 第5章)

Is Water H2O?: Evidence, Realism and Pluralism (Boston Studies in the Philosophy and History of Science Book 293) (English Edition) 作者: Hasok Chang 出版社/メーカー: Springer 発売日: 2012/05/23 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (1件…

読書メモ(勉強モード):Mental Time Travel (by Kourken Michaelian)…記憶とは過去のシミュレーションである【前編】

Mental Time Travel: Episodic Memory and Our Knowledge of the Personal Past (Life and Mind: Philosophical Issues in Biology and Psychology) (English Edition) 作者: Kourken Michaelian 出版社/メーカー: The MIT Press 発売日: 2016/02/19 メディ…

読書メモ(解説モード):水の電気分解の何が謎だったのか(Chang 2012, 第2章)

Is Water H2O?: Evidence, Realism and Pluralism (Boston Studies in the Philosophy and History of Science Book 293) (English Edition) 作者: Hasok Chang 出版社/メーカー: Springer 発売日: 2012/05/23 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (1件…

読書メモ:科学哲学の源流をたどる(伊勢田哲治 著)

科学哲学の源流をたどる:研究伝統の百年史 (叢書・知を究める) 作者: 伊勢田哲治 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房 発売日: 2018/11/08 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 「伊勢田先生の新刊だ!」と思って買ったものの、「え、19世紀の歴史? …

視聴メモ:「科学と科学哲学――はたして科学に哲学は必要なのか?」…必要、ただし困ったときだけ(?)

先週の金曜日、下記のイベントが行われた。 伊勢田哲治×三中信宏 司会=山本貴光「科学と科学哲学――はたして科学に哲学は必要なのか?」@ゲンロンカフェ 2019年2月22日 科学哲学者の伊勢田哲治先生(以下、伊勢田氏)と、生物系統学を専門とする三中信宏先…

読書メモ:暇と退屈の倫理学 [増補新版](國分功一郎 著)…のふわっとした感想

暇と退屈の倫理学 増補新版 (homo Viator) 作者: 國分功一郎 出版社/メーカー: 太田出版 発売日: 2015/03/07 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (42件) を見る 初版が出たのが2011年。出版社を変えて新版が出たのが2015年。「暇と退屈」と「倫理学」と…

読書メモ:英米哲学入門(一ノ瀬正樹 著)

英米哲学入門 (ちくま新書) 作者: 一ノ瀬正樹 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2018/04/06 メディア: 新書 この商品を含むブログ (1件) を見る 副題の『「である」と「べき」の交差する世界』に惹かれて買った。 「である」と「べき」の線引き問題につい…

読書メモ:勉強の哲学(千葉雅也 著)

勉強の哲学 来たるべきバカのために 作者: 千葉雅也 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2017/04/11 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (22件) を見る ずっと気になっていた本。2017年を代表するヒット本の一冊として評価されてきてい…

新刊紹介メモ:数学はなぜ哲学の問題になるのか(イアン・ハッキング著)

数学はなぜ哲学の問題になるのか 作者: イアン・ハッキング,金子洋之,大西琢朗 出版社/メーカー: 森北出版 発売日: 2017/10/07 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 仕事で関わった書籍です。 発売日に合わせ、ここでも紹介させてもらいます。 興味…

読書メモ:自然主義入門(植原亮 著)

自然主義入門: 知識・道徳・人間本性をめぐる現代哲学ツアー 作者: 植原亮 出版社/メーカー: 勁草書房 発売日: 2017/07/25 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る 最近、科学と哲学の距離が近くなっているのだろうか。科学者と哲学者が合同開…

読書メモ:脳はいかにして意識をつくるのか(ゲオルク・ノルトフ 著、高橋洋 訳)

脳はいかに意識をつくるのか―脳の異常から心の謎に迫る 作者: ゲオルク・ノルトフ,高橋洋 出版社/メーカー: 白揚社 発売日: 2016/11/05 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 原題は“Neuro-Philosophy and the Healthy Mind: Learning form t…

読書メモ:科学とモデル(マイケル・ワイスバーグ著、松王政浩訳)

科学とモデル―シミュレーションの哲学 入門― 作者: マイケル・ワイスバーグ,松王政浩 出版社/メーカー: 名古屋大学出版会 発売日: 2017/04/18 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 科学者は、ものごとを理解するのに「モデル」(数理モデル…

読書メモ:幸福はなぜ哲学の問題になるのか(青山拓央 著)

幸福はなぜ哲学の問題になるのか (homo viator) 作者: 青山拓央 出版社/メーカー: 太田出版 発売日: 2016/09/14 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る 「私はいま幸せです」と誰かが言うのを聞くと、なぜか少しだけ背筋が寒くなる。結婚した…

物理学者と哲学者の(ディス)コミュニケーション ~(再掲)読書メモ:『科学を語るとはどういうことか』~

先日、youtube配信されていた以下の対談を観ました。 この動画、個人的にはとても面白くて、下記のツイートで紹介しました。 宇宙物理学者の柴田氏の「倫理学への不満」に、伊勢田哲治先生がガチで答えるという対談。文理のディスコミュニケーションが、これ…

読書メモ:情報社会の〈哲学〉(大黒岳彦 著)

情報社会の〈哲学〉: グーグル・ビッグデータ・人工知能 作者: 大黒岳彦 出版社/メーカー: 勁草書房 発売日: 2016/08/27 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 月刊誌『現代思想』(青土社)などに発表された五つの論考に、書き下ろしの章を加えた単…

聴講メモ:『人工知能のための哲学塾』刊行記念イベント

昨晩はこちらのイベントに参加してきました。 www.bnn.co.jp 人工知能のための哲学塾 作者: 三宅陽一郎 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社 発売日: 2016/08/11 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る この本のもとになった「人工知能のた…

読書メモ:脳がわかれば心がわかるか(山本貴光・吉川浩満)

脳がわかれば心がわかるか──脳科学リテラシー養成講座 (homo Viator) 作者: 山本貴光,吉川浩満 出版社/メーカー: 太田出版 発売日: 2016/06/07 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る 『心脳問題』(2004年)増補改訂版。旧版を読んでから2年…

読書メモ:ひとを愛することができない(中島義道 著)

ひとを愛することができない―マイナスのナルシスの告白 (角川文庫) 作者: 中島義道 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 2007/02 メディア: 文庫 購入: 8人 クリック: 45回 この商品を含むブログ (45件) を見る たまに、中島義道氏の著作が読みたくなる。先日…

読書メモ:ライプニッツの情報物理学

ライプニッツの情報物理学 - 実体と現象をコードでつなぐ (中公叢書) 作者: 内井惣七 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2016/02/09 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 物理学で一番の謎はなにか? そう聞かれたら、僕なら「ダークエ…

読書メモ:リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください

リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください--井上達夫の法哲学入門 作者: 井上達夫 出版社/メーカー: 毎日新聞出版 発売日: 2015/06/16 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (14件) を見る 「若い書き手が上手いことを言って世相…

読書メモ:大森荘蔵『物と心』 

物と心 (ちくま学芸文庫) 作者: 大森荘蔵 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2015/01/07 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (5件) を見る 今年1月に文庫版が発行された、大森荘蔵の論考集。 「物と心」というタイトルが示すように、主に心脳問題に関す…