2024-01-01から1年間の記事一覧
噓のようなスピードで1年が過ぎる。昨年の大みそかが昨日のことのようだ。ただし無理やり振り返れば、この365日にはそれなりに多くの出来事が詰まっている。体感的にはほぼ「点」に縮退してしまっているが、意識的に想起すれば「線」としての時間の広がりが…
仮説行動――マップ・ループ・リープで学びを最大化し、大胆な未来を実現する 作者:馬田隆明 英治出版 Amazon 「自分にもできそう」と思えるフレームワークを与えてくれ、かつ「明日から実践せねば」と駆り立てられる、王道のビジネス書。今の自分に必要な本だ…
ニューロテクノロジー: 脳の監視・操作と人類の未来 作者:ニタ・A・ファラハニー 河出書房新社 Amazon ニタ・ファラハニーの”The Battle for Your Brain”の邦訳が出版されたので、原著の感想文を再掲します。小見出しや引用の翻訳は、邦訳書のものではないの…
日本神経回路学会が主催するオータムスクールASCONE(Autumn School for Computational Neuroscience)に参加した。20数名の学部生、大学院生と、5~6人のオーガナイザー、6名のゲスト講師が千葉県一宮市のホテルに缶詰になる、3泊4日の合宿形式であった。 A…
まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書 作者:阿部 幸大 光文社 Amazon 『まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書』を読んだ。読む前と後で行動様式が変わるような本に出会えることは多くないが、これはそうした一冊になりそうだ。本…
English at the bottom. 過去9か月間、私は一般社団法人AIアライメントネットワーク(通称ALIGN:アライン)という組織にかかわってきた。具体的には、同法人の事務局業務に、ボランティア及び業務受託の形態で携った。今月(2024年9月)末で業務受託の期間…
本日、「メタサイエンス勉強会:科学哲学から科学政策・研究公正を考える」と題したオンライン勉強会が開催された。 科学哲学者の野内玲さん、清水右郷さんとお話しした折に、いずれ「メタサイエンス」をテーマにした研究会をやりたいというお話を聞き、では…
本日、早稲田大学で行われた科学基礎論学会のシンポジウム「AIは科学をどう変えるのか?」を聴講した。 オーガナイザーは大塚淳氏、提題者は橋本幸士氏、高橋恒一氏、呉羽真氏の3名。AIによる科学のパイオニア、あるいはAI科学を哲学から論じてきた研究者と…
本連載について AIの社会的影響について考え始めたのは、8年ほど前。当時は「ブームだしちょっと考えてみよう」というつもりだったが、社会的の関心は落ち着くどころかどんどん大きくなっていき、私自身も考え続けることになった。いまでは、AI関連の新聞記…
2024年4月4日に、独立研究者の高木史郎さんとともに、オンライン勉強会「AI科学を哲学する?」を開催しました。以下はその簡単な記録です。 開催の経緯 発端は、昨年末に高木さんがArxivに投稿されたプレプリント論文でした。機械学習の研究者として、自律的…
年度の変わり目。皆様変化の季節を迎えていることと思いますが、私(丸山)も一区切りのタイミングとなりました。今月末をもって、現職の科学技術振興機構(JST)を退職し、4月からは個人事業主となります。すでに口頭で説明済みの方も多くいらっしゃいます…
うつ病 隠された真実: 逃れるための本当の方法 作者:ヨハン・ハリ 作品社 Amazon 5年前に読んだJohann Hari "Lost Connections"の翻訳が出たようなので、読書メモを再掲します。 ==== Lost Connections: Why You're Depressed and How to Find Hope 作者…
エッセンシャルワーカー 社会に不可欠な仕事なのに、なぜ安く使われるのか 旬報社 Amazon 本書は、日本のエッセンシャルワーカー、つまり「社会に不可欠な仕事をしている人たち」に焦点を当て、その処遇が悪化してきた実態とその背景を、10を超える業種のケ…