重ね描き日記(rmaruy_blogあらため)

読書メモ、探求メモなど。

読書メモ(勉強モード):Understanding Scientific Understanding(by Henk W. de Regt)~理解できないものを理解するために、まずは理解を理解する~

科学というのは、その成り立ちや動作原理が未知の対象――宇宙、生命、脳など――を「理解する」ための営みと言える。だが、ときに「科学的に理解するとはどういうことなのか」がわからなくなることがある。本ブログでは、一貫してそれについて考えてきた。 どう…

非研究者として『在野研究ビギナーズ』を読んで考えたこと

今月出た『在野研究ビギナーズ』を読んだ。大学や研究機関に籍を置かない14名の「在野」研究者たちが、自身の日々(生活と研究の両立)について、そして自身の研究観について綴った一冊。 ともかく著者たちは皆、腹が据わっている。自分のやりたいことが明確…

続・どうすれば脳を「理解」できるのか: 分かり方は一つじゃない~脳理解の多元主義へ~

文章:丸山隆一(@rmaruy) (注)本記事は鈴木力憲さんと書いた「どうすれば脳を「理解」できるのか:「コンピュータチップの神経科学」の続編ですが、本記事の筆者は丸山一人です。鈴木さんとの議論から多くのヒントを得ているものの、基本的には個人の考…

読書メモ:情動の哲学入門(信原幸弘 著)…世界はあらかじめエモいのか

情動の哲学入門: 価値・道徳・生きる意味 作者: 信原幸弘 出版社/メーカー: 勁草書房 発売日: 2017/11/10 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る 最近、怒りっぽくなっている。家族からの何気ない一言にカッとなり、会社で投げかけられた自分…

脳と機械をつないでいいのか? ~「BMIの倫理」の議論をもう一度始める~

先月、イーロン・マスク氏が率いるNeuralink社の発表が話題を呼びました。 これは、同社が開発した脳とコンピュータをつなぐ技術、いわゆるブレイン・マシン・インターフェース(BMI)の最新の成果に関するものでした。細いファイバー状の電極を、ロボット技…

猛暑日の夜に人生を振り返って苦々しく思うこと

今日は暑かった。ここ数年、暑いのが怖い。暑いから冷房の効いた部屋に閉じこもるわけだけど、その冷房が世界をさらに暑くしているのは明白で、「暑いでしょうけど、こっちを冷やすので電力が限界なので、そちらでは冷房は使えません」という日はいつかくる…

読書メモ:機械翻訳と未来社会(瀧田、西島、羽成、瀬上)…壁はなくならない、でも言語は変わるかも

機械翻訳と未来社会 -言語の壁はなくなるのか 作者: 瀧田寧,西島佑,羽成拓史,瀬上和典 出版社/メーカー: 社会評論社 発売日: 2019/07/12 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る いま、機械翻訳が熱い。 ここ数年、翻訳エンジンの性能…

読書メモ:解離をめぐる2冊(柴田雅俊『解離性障害』、岡野憲一郎『解離新時代』)

解離性障害にまつわる本を二冊読んだ。 解離性障害―「うしろに誰かいる」の精神病理 (ちくま新書) 作者: 柴山雅俊 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2007/09/01 メディア: 新書 購入: 6人 クリック: 48回 この商品を含むブログ (18件) を見る 解離新時代―…

読書メモ:哲学の誕生(納富信留 著)…無知の知から、不知の自覚へ

「無知の知」という言葉に、ずいぶん助けられてきたように思う。 私は、極度にものを知らない人間だ。ものごころついて以来、わけがわかったためしがない。25歳くらいまで、なぜか「バジル」と「しそ」が同じ野菜だと思っていた。小学生のころからお前の服装…

思考整理メモ:これからのAI技術を迎え撃つのに必要なのは「生成モデルの哲学」?

人工知能について、ここしばらく考えていることを書きます。 言いたいのは、 これからの人工知能を考えるに際して、「生成モデルの哲学」が必要なんじゃないか? ということです。試論というか、妄想というか、素人のたわごとレベルですが、何かの思考の糧に…