重ね描き日記(rmaruy_blogあらため)

読書メモ、探究メモなど。

読書メモ:『エッセンシャルワーカー:社会に不可欠な仕事なのに、なぜ安く使われるのか』(田中洋子 編著)

エッセンシャルワーカー 社会に不可欠な仕事なのに、なぜ安く使われるのか 旬報社 Amazon 本書は、日本のエッセンシャルワーカー、つまり「社会に不可欠な仕事をしている人たち」に焦点を当て、その処遇が悪化してきた実態とその背景を、10を超える業種のケ…

2023年を振り返る

一年の振り返りに今年は1時間くらいしかとれない。 本業のこと 現職に来てから丸3年経った。自分の限られた経験と能力、そして組織から与えられた任務という制約の下で、税金で雇われている自分の存在をどうしたらネットポジティブにできるか悩みながら、結…

2024年、AIニュースをどう追っていけばいいのか? ~「AIメディアリテラシー」試論~

2016年12月、このブログに「人工知能をトランスサイエンス問題として考えてみる」という記事を書いた。トランスサイエンスというキーワードを使って、AIが社会や自分の生活に与える影響について考える心構えを整理してみたものだった。 それから7年たち、202…

読書メモ:The Worlds I See (by Fei-Fei Li) 米国アカデミア屈指のAI研究者の半生

The Worlds I See: Curiosity, Exploration, and Discovery at the Dawn of AI (English Edition) 作者:Li, Fei-Fei Flatiron Books: A Moment of Lift Book Amazon 近年の人工知能分野を牽引している研究者と言えばOpenAIやAnthropicなどのスタートアップ、…

読書メモ:『励起(上・下)』(伊藤憲二 著)――今読まれるべき1000ページの「科学史的伝記」

励起 上――仁科芳雄と日本の現代物理学 作者:伊藤憲二 みすず書房 Amazon 励起 下――仁科芳雄と日本の現代物理学 作者:伊藤憲二 みすず書房 Amazon 日本の物理学者、仁科芳雄(1890~1951年)の伝記である。 上下巻、2段組ハードカバーで合計1000ページ*1に迫…

記録メモ:日経サイエンス2023年10月号への寄稿

久しぶりの投稿は、仕事(業務外)の記録。 日経サイエンス2023年10月号 [雑誌] 日経サイエンス Amazon 科学雑誌『日経サイエンス』の2023年10月号(8月発売号)の、二つの記事に関わらせていただいた。 1)「脳とAI 溶ける境界 大規模言語モデルが開く脳の…

読書メモ:Nita Farahany ”The Battle for Our Brain” …ニューロテクノロジーの時代に守るべき「自由」とは

The Battle for Your Brain: Defending the Right to Think Freely in the Age of Neurotechnology (English Edition) 作者:Farahany, Nita A. St. Martin's Press Amazon 脳から情報をとる、脳に直接働きかける。5年前なら「未来の話」だったであろうニュー…

読後感メモ:『惑う星』(リチャード・パワーズ 著)

惑う星 作者:リチャード・パワーズ 新潮社 Amazon Twitterに書く程度の感想になるが、ネタバレを含むかもしれないのでここに置いておく。 Richard Powersの『惑う星』、倫理的障壁のようなものを感じて躊躇していたが、予想より自分にとってrelatableな内容…

2022年を振り返る

今年も「今年一年を振り返らなければ」という強迫観念に駆られる時期がきた。一年を振り返らずになんとなく新年を迎えるのが耐えがたいことのように感じられるのは、自分の生きた時間の流れを「言葉」でパッケージングしておかなければその時間が散逸して無…

読書メモ:『想起:過去に接近する方法』(森直久 著)

想起: 過去に接近する方法 (知の生態学の冒険 J・J・ギブソンの継承 7) 作者:森 直久 東京大学出版会 Amazon 本書は、「記憶」や「想起」を研究テーマとする心理学者が、過去1世紀の記憶をめぐる学説史や、自身の実験研究をたどりながら、ギブソンの知覚理論…