重ね描き日記(rmaruy_blogあらため)

読書メモ、探究メモなど。

読書メモ

読書メモ:自然主義入門(植原亮 著)

自然主義入門: 知識・道徳・人間本性をめぐる現代哲学ツアー 作者: 植原亮 出版社/メーカー: 勁草書房 発売日: 2017/07/25 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る 最近、科学と哲学の距離が近くなっているのだろうか。科学者と哲学者が合同開…

読書メモ:退屈なことはPythonにやらせよう(Al Sweigart著)

退屈なことはPythonにやらせよう ―ノンプログラマーにもできる自動化処理プログラミング作者: Al Sweigart,相川愛三出版社/メーカー: オライリージャパン発売日: 2017/06/03メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (6件) を見るめずらしく技…

読書メモ(再掲):かくて行動経済学は生まれり(マイケル・ルイス著)

かくて行動経済学は生まれり 作者: マイケルルイス,Michael Lewis,渡会圭子 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2017/07/14 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 『かくて行動経済学は生まれり』という邦題には意表を突かれた。副題の"Friendship"…

読書メモ:ブラックボックス化する現代(下條信輔 著)

ブラックボックス化する現代 変容する潜在認知 作者: 下條信輔 出版社/メーカー: 日本評論社 発売日: 2017/06/22 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 認知科学者、下條信輔氏による社会評論。2010年から執筆を担当している朝日新聞デジタル…

読書メモ:脳はいかにして意識をつくるのか(ゲオルク・ノルトフ 著、高橋洋 訳)

脳はいかに意識をつくるのか―脳の異常から心の謎に迫る 作者: ゲオルク・ノルトフ,高橋洋 出版社/メーカー: 白揚社 発売日: 2016/11/05 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 原題は“Neuro-Philosophy and the Healthy Mind: Learning form t…

読書メモ:工学部ヒラノ教授のはじまりの場所(今野浩 著)

工学部ヒラノ教授のはじまりの場所 ―世田谷少年交差点物語― 作者: 今野浩 出版社/メーカー: 青土社 発売日: 2017/06/03 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 「出身高校は?」「都立日比谷高校です。」「あの日比谷ですか!」「そうです、『昔は』…

読書メモ:Behave(Robert Sapolsky著)

Behave: The Biology of Humans at Our Best and Worst 作者: Robert M. Sapolsky 出版社/メーカー: Penguin Press 発売日: 2017/05/02 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 「なぜ私はどうでもいいことで怒ってしまうのか?」「あの人はなぜ浮気…

読書メモ:我々みんなが科学の専門家なのか?(ハリー・コリンズ 著、鈴木俊洋 訳)

我々みんなが科学の専門家なのか? (叢書ウニベルシタス) 作者: ハリーコリンズ,Harry Collins,鈴木俊洋 出版社/メーカー: 法政大学出版局 発売日: 2017/04/24 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 書名が面白い。『我々みんなが科学の専門家…

読書メモ:科学とモデル(マイケル・ワイスバーグ著、松王政浩訳)

科学とモデル―シミュレーションの哲学 入門― 作者: マイケル・ワイスバーグ,松王政浩 出版社/メーカー: 名古屋大学出版会 発売日: 2017/04/18 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 科学者は、ものごとを理解するのに「モデル」(数理モデル…

読書メモ:Homo Deus (by Yuval Noah Harari) …サピエンスはどうなってしまうのか?

Homo Deus: A Brief History of Tomorrow 作者: Yuval Noah Harari 出版社/メーカー: Harvill Secker 発売日: 2016/09/08 メディア: ペーパーバック この商品を含むブログを見る 話題の歴史学者、ユヴァル・ノア・ハラリ氏の最新作。人類の全歴史を独自の切…

読書メモ:『サピエンス全史』(ユヴァル・ノア・ハラリ)を現代人が読むべき理由

サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福 作者: ユヴァル・ノア・ハラリ,柴田裕之 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2016/09/08 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (26件) を見る サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福 作者: ユヴァル・ノ…

読書メモ:工学部ヒラノ教授の中央大学奮戦記(今野浩 著)

工学部ヒラノ教授の中央大学奮戦記 作者: 今野浩 出版社/メーカー: 青土社 発売日: 2017/03/23 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 大学事情に多少通じている人なら知っているように、国立大学の(偉い)先生は、定年になるとたいてい私立大学に移…

読書メモ:The Knowledge Illusion(by Steven Sloman & Philip Fernbach)

たしか小学生のころ、「総理大臣ってすごいな」と思っていた。 自分は学校の宿題やら習い事やらで頭がいっぱいなのに、大人というのは自分以外のことにも気を配っている。たとえば通学路のガードレール。これが設置されるまでには、「この道にガードレールが…

読書メモ:科学報道の真相(瀬川至朗 著)

科学報道の真相: ジャーナリズムとマスメディア共同体 (ちくま新書1231) 作者: 瀬川至朗 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2017/01/05 メディア: 新書 この商品を含むブログ (3件) を見る もと新聞記者で今は大学でジャーナリズムを教える著者が、日本の科…

読書メモ:おさなごころを科学する(森口佑介 著)

おさなごころを科学する: 進化する幼児観 作者: 森口佑介 出版社/メーカー: 新曜社 発売日: 2014/03/10 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 図書館の「子育て本」コーナーで何気なく手にとった本。斜め読みですませるつもりが、予想外にしっかりし…

読書メモ:げんきな日本論(橋爪大三郎+大澤真幸)

げんきな日本論 (講談社現代新書) 作者: 橋爪大三郎,大澤真幸 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2016/10/19 メディア: 新書 この商品を含むブログ (5件) を見る 「日本論」とあるが「日本史」の本。 社会学者の橋爪大三郎さんと大澤真幸さんが、縄文時代から…

探究メモ:脳科学は記憶の仕組みをどこまで解明したのか? 〈第5回:利根川ラボが発見した「エングラム細胞」〉

前回は、Eric Kandelによるアメフラシの研究を取り上げました。Kandel氏は、ミニマムな神経系をもつアメフラシを研究対象に選び、記憶の基本的メカニズムとしての「シナプス可塑性」について多くのことを明らかにしました。 1970年代以降、分子・細胞レベル…

読書メモ:『現代思想 2017年3月臨時増刊号 知のトップランナー50人の美しいセオリー』

※記憶の脳科学の話は一回お休みとします。平常運転の読書メモです。 現代思想 2017年3月臨時増刊号 総特集◎知のトップランナー50人の美しいセオリー 作者: 養老孟司,茂木健一郎,池田清彦,長谷川眞理子,渡辺政隆,長沼毅,山極寿一,佐藤文隆,黒川信重,円城塔,大…

読書メモ(再掲):The Myth of Mirror Neurons (by Gregory Hickok)

The Myth of Mirror Neurons: The Real Neuroscience of Communication and Cognition 作者: Gregory, Ph.D. Hickok 出版社/メーカー: W W Norton & Co Inc 発売日: 2014/08/18 メディア: ハードカバー この商品を含むブログを見る 2014年に読んだこの本。著…

読書メモ:The Undoing Project (by Michael Lewis)

前から、ダニエル・カーネマンのことが気になっていた。 それは、おもに『ファスト&スロー』の著者としてだった。『ファスト&スロー』は2011年に出た本だが、当時印象的だったのは、これを読んだ人が、皆得意げに「システム1」だとか「○○バイアス」だとか…

再読メモ:日本の難点(宮台真司 著)

日本の難点 (幻冬舎新書) 作者: 宮台真司 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2009/04 メディア: 新書 購入: 28人 クリック: 233回 この商品を含むブログ (228件) を見る ふと思い立って、8年ぶりに読み直したこの本。 社会学者の宮台真司氏が、経済・政治・教…

読書メモ:漱石のこころ(赤木昭夫 著)

漱石のこころ――その哲学と文学 (岩波新書) 作者: 赤木昭夫 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2016/12/21 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 夏目漱石ほど、作品が読まれた日本人の小説家はいない。漱石の作品が好きな人は多いが、その理由は人そ…

読書メモ:幸福はなぜ哲学の問題になるのか(青山拓央 著)

幸福はなぜ哲学の問題になるのか (homo viator) 作者: 青山拓央 出版社/メーカー: 太田出版 発売日: 2016/09/14 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る 「私はいま幸せです」と誰かが言うのを聞くと、なぜか少しだけ背筋が寒くなる。結婚した…

読書メモ:精霊の箱(川添愛 著)

精霊の箱 上: チューリングマシンをめぐる冒険 作者: 川添愛 出版社/メーカー: 東京大学出版会 発売日: 2016/10/26 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 精霊の箱 下: チューリングマシンをめぐる冒険 作者: 川添愛 出版社/メーカー: 東京大…

読書メモ:デスマーチはなぜなくならないのか(宮地弘子 著)

デスマーチはなぜなくならないのか IT化時代の社会問題として考える (光文社新書) 作者: 宮地弘子 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2016/11/17 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る タイトルと帯のインパクトで思わず手にとったこの本。すぐ棚に戻す…

読書メモ:「科学コミュニケーション」関連書籍4冊

今年度、北大CoSTEPを受講している。(集中演習についてこの前少し書いた。) CoSTEPは「科学コミュニケーター」を養成することを目的とするプログラムなのだが、この「科学コミュニケーター」あるいは「科学コミュニケーション」という言葉は、ちょっとわか…

読書メモ:工学部ヒラノ教授とおもいでの弁当箱(今野浩 著)

工学部ヒラノ教授とおもいでの弁当箱 作者: 今野浩 出版社/メーカー: 青土社 発売日: 2016/10/20 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 最近は、昼飯を外で食べることにしている。以前は会社で仕出し弁当を食べていたのだが、ハンバーグ・焼き魚・コ…

読書メモ:古市くん、社会学を学び直しなさい‼

古市くん、社会学を学び直しなさい!! (光文社新書) 作者: 古市憲寿 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2016/10/18 メディア: 新書 この商品を含むブログ (2件) を見る 古市憲寿さんと12人の社会学者との対談集。登場するのは、宮台真司氏、大澤真幸氏、橋爪大…

読書メモ:〈わたし〉は脳に操られているのか (エリエザ―・スタンバーグ 著)

〈わたし〉は脳に操られているのか : 意識がアルゴリズムで解けないわけ 作者: エリエザー・スタンバーグ,大田直子 出版社/メーカー: インターシフト 発売日: 2016/09/05 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 「自由意志」はあるのか、ないのか。 …

読書メモ:生命、エネルギー、進化(ニック・レーン 著)

生命、エネルギー、進化 作者: ニック・レーン,斉藤隆央 出版社/メーカー: みすず書房 発売日: 2016/09/24 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 先日、木星の惑星エウロパにかんするNASAの発表が話題になった。どうやらエウロパには大量の水…