重ね描き日記(rmaruy_blogあらため)

読書メモ、探究メモなど。

2016-01-01から1年間の記事一覧

読書メモ:文化進化論

文化や歴史や経済などの背後にある「法則」を知りたいというのは、多くの人が一度はもったことのある願望なのではないかと思う。 「なぜ梅雨になると雨が降るのか?」とか「なぜ歳をとると髪の毛が白くなるのか?」などの自然界の現象であれば、科学である程…

読書メモ:『脳・心・人工知能 数理で脳を解き明かす』

脳・心・人工知能 数理で脳を解き明かす (ブルーバックス) 作者: 甘利俊一 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2016/05/20 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 「え、甘利先生のブルーバックスが出たの? 読むしかない!」 そんな勢いでこの本を手に取…

読書メモ:Algorithms to Live By

Algorithms to Live By: The Computer Science of Human Decisions 作者: Brian Christian,Tom Griffiths 出版社/メーカー: Henry Holt and Co. 発売日: 2016/04/19 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る タイトルを素直に訳せば、「生活のなかの…

読書メモ:ひとを愛することができない(中島義道 著)

ひとを愛することができない―マイナスのナルシスの告白 (角川文庫) 作者: 中島義道 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 2007/02 メディア: 文庫 購入: 8人 クリック: 45回 この商品を含むブログ (45件) を見る たまに、中島義道氏の著作が読みたくなる。先日…

読書メモ:認識とパタン(絶版)

認識とパタン (1978年) (岩波新書) 作者: 渡辺慧 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1978/01/20 メディア: 新書 購入: 1人 クリック: 32回 この商品を含むブログ (6件) を見る 先日『知るということ』を読み直したのをきっかけに、渡辺慧の著作をいろいろと…

読書メモ:リップヴァンウィンクルの花嫁

リップヴァンウィンクルの花嫁 作者: 岩井俊二 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2015/12/04 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る 心から面白いと思える小説に、近ごろ出会えていなかった。 「面白そうだな」と思って読み始めても、なぜか…

読書メモ:知るということ――認識学序説 渡辺慧(著)

知るということ 認識学序説 (ちくま学芸文庫) 作者: 渡辺慧 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2011/06/10 メディア: 文庫 クリック: 10回 この商品を含むブログ (1件) を見る 5年前にちくま学芸文庫から出されたこの本。 院生のときに読んでいたのだが、…

読書メモ:性と愛の脳科学

性と愛の脳科学 新たな愛の物語 作者: ラリー・ヤング,ブライアン・アレグザンダー,坪子理美 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2015/12/09 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 世の中には、男の人と女の人がいる。 普段は当たり前だ…

読書メモ:工学部ヒラノ教授の介護日誌

理系の研究者が書く本というのは、科学現象の原理を噛み砕いたものや、最技術のしくみを平易に解説したものなど、そのほとんどが研究対象について書かれたものだ。一方、研究者自身の、それも研究以外の仕事や人間関係にスポットが当たることは珍しい。その…

観賞メモ:牡蠣工場

渋谷のイメージフォーラムで『牡蠣工場(かきこうば)』を見てきた。 瀬戸内海に面した町での、牡蠣の養殖業を舞台にしたドキュメンタリー映画。 http://www.kaki-kouba.com/ 牡蠣工場というのは、収穫した牡蠣の殻を剥く作業場のことで、多くのシーンがここ…

読書メモ:「文系学部廃止」の衝撃

「文系学部廃止」の衝撃 (集英社新書) 作者: 吉見俊哉 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2016/02/17 メディア: 新書 この商品を含むブログ (3件) を見る 大学に文系は必要なのか? 白状すると、「必要ないかも」と思っていた時期があった。理系の自分からみ…

読書メモ:ライプニッツの情報物理学

ライプニッツの情報物理学 - 実体と現象をコードでつなぐ (中公叢書) 作者: 内井惣七 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2016/02/09 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 物理学で一番の謎はなにか? そう聞かれたら、僕なら「ダークエ…

思考整理メモ:人工知能ブームのあとにくるもの

祝日の昨日、トークイベントに行ってきた。またも人工知能の話だ。 ICC ONLINE | オープン・サロン スペシャル・トーク「シンギュラリティ:人工知能から超知能へ」 最近すっかり「人工知能」という言葉に敏感になっていて、読む本もブログに書くのも、気づ…

読書メモ:ユリイカ 2016年3月臨時増刊号 総特集◎出版の未来

ユリイカ 2016年3月臨時増刊号 総特集◎出版の未来 出版社・書店・取次のリアル 作者: 浅田次郎,菅直人,千葉雅也,市川真人,鹿島茂,斎藤貴男,高井昌史,福島聡,佐藤健一,堀部篤史,内沼晋太郎,永江朗,鈴木一誌,福井健策,大原ケイ,工藤秀之,小林浩,林智彦,鷹野凌,…

読書メモ:マインドフル・ワーク

マインドフル・ワーク 「瞑想の脳科学」があなたの働き方を変える 作者: デイヴィッド・ゲレス 出版社/メーカー: NHK出版 発売日: 2015/05/29 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 「マインドフルネス」という言葉を本当によく聞くようになった。…

読書メモ:断片的なものの社会学

断片的なものの社会学 作者: 岸政彦 出版社/メーカー: 朝日出版社 発売日: 2015/05/30 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (19件) を見る 社会学という学問がある。 社会の片隅で起こっていることに光を当て、ときにマイノリティーな人…

読書メモ:ものづくりの反撃

ものづくりの反撃 (ちくま新書) 作者: 中沢孝夫,藤本隆宏,新宅純二郎 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2016/01/06 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 企業論や生産管理を専門とする経済学者3名による、日本の製造業についての鼎談と書下ろしを…

思考整理メモ:「強いAI/弱いAI」の区別とは結局何なのか?

めずらしく本以外のことを書いてみたい. テーマは「強いAI」(strong AI)と「弱いAI」(weak AI)について. 今日,会社で上司に呼ばれて「強いAIと弱いAIの違いって何なの?」と聞かれて,社内で人工知能に詳しいことになっている私なので,「それはですね〜…

読書メモ:大人のためのメディア論講義

大人のためのメディア論講義 (ちくま新書) 作者: 石田英敬 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2016/01/06 メディア: 新書 この商品を含むブログ (1件) を見る 「メディア論」という分野には、なんとなく興味はあったものの、これまで触れたことがなかった。…

読書メモ:心はすべて数学である

心はすべて数学である 作者: 津田一郎 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2015/12/09 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 日本のカオス研究の第一人者であり、最近はカオス理論と脳を結びつけた研究で知られる津田一郎先生の新刊。本書では、著者…

読書メモ: What Kind of Creatures Are We?  (by Noam Chomsky)

What Kind of Creatures Are We? (Columbia Themes in Philosophy) 作者: Noam Chomsky 出版社/メーカー: Columbia Univ Pr 発売日: 2015/12/15 メディア: ハードカバー この商品を含むブログを見る チョムスキーの新刊を読んでみた。袖の紹介文には“written…