重ね描き日記(rmaruy_blogあらため)

読書メモ、探究メモなど。

読書メモ:Lost in Math(by Sabine Hossenfelder)……美の追求が、物理学を袋小路に追い込んだのか?

Lost in Math: How Beauty Leads Physics Astray 作者: Sabine Hossenfelder 出版社/メーカー: Basic Books 発売日: 2018/06/12 メディア: ハードカバー この商品を含むブログを見る 直訳に近い日本語のタイトルをつけるとしたら、『数学に迷い込んで――美の…

探究メモ:脳科学は記憶の仕組みをどこまで解明したのか〈番外編2:論文紹介 Science 2018, Tanaka et al.〉

久しぶりの、「探求メモ:脳科学は記憶の仕組みをどこまで解明したのか」シリーズです。 過去の記事はこちら: 探究メモ:脳科学は記憶の仕組みをどこまで明らかにしたのか〈第8回(最終回):まとめ〉 - rmaruy_blog 探究メモ:脳科学は記憶の仕組みをどこ…

読書メモ:人間の解剖はサルの解剖のための鍵である(吉川浩満 著)

人間の解剖はサルの解剖のための鍵である 作者: 吉川浩満 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2018/07/19 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 在野の著述家として活躍する吉川浩満さんが、ここ数年さまざまな媒体で発表してきた文章を…

読書メモ(再掲): 心と体をゆたかにするマインドエクササイズの証明(ダニエル・ゴールマン&リチャード・デビッドソン著)

心と体をゆたかにするマインドエクササイズの証明 (フェニックスシリーズ) 作者: ダニエル・ゴールマン,リチャード・J・デビッドソン,藤田美菜子 出版社/メーカー: パンローリング株式会社 発売日: 2018/07/15 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を…

読書メモ:記憶をめぐる人文学(アン・ホワイトヘッド 著、三村尚央 訳)

本ブログでは、折に触れて「記憶の脳科学」を扱ってきた。 脳科学は記憶の仕組みをどこまで明らかにしたのか? 記憶を「書き換える」技術は、もうすぐ実現されるのか? そんな素朴な疑問から出発して、連載ブログを書いたのが1年と少し前。 そのときにたどり…

読書メモ: あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠(キャシー・オニール著)

あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠 作者: キャシー・オニール,久保尚子 出版社/メーカー: インターシフト 発売日: 2018/06/18 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 原書タイトルは"Weapons of Math Destruction"。 「…

読書メモ:「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明(伊神満 著)

「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明 作者: 伊神満 出版社/メーカー: 日経BP社 発売日: 2018/05/24 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 経済学者による、経済学研究の入門書。クレイトン・クリステンセンの「イノベーターのジレンマ」を、経…

読書メモ:トラウマをめぐる3冊(ピーター・ラヴィーン著、ベッセル・ヴァン・デア・コーク著、宮地尚子 著)+中井久夫【追記】

「トラウマ」にまつわる本を3冊読んだ。 最初の2冊は、トラウマ治療に長年関わってきたアメリカの臨床医が、トラウマについての科学的知識とその治療法を解説した本。いずれも、脳だけでなく「身体」の記憶という視点を重視している。3冊目の岩波新書は、「…

読書メモ:地球にちりばめられて(多和田葉子)

地球にちりばめられて 作者: 多和田葉子 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2018/04/26 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 面白かった。 以下は、印象をとどめておくためのメモ。 * 舞台はヨーロッパ。多国籍の若者たちが出会い、意図せず…

思考整理メモ:理工書の「良い企画」についての考察

2018年のゴールデンウィーク最終日。 連休中にあれこれ考えていたことを、文章に残しておきたい。 考えていたのは、理工書の「良い企画」とは何か、について。 ※以下、主に備忘録用の、自分の仕事についてのちょっとしたメモです。多くの人には関係がないう…