重ね描き日記(rmaruy_blogあらため)

読書メモ、探究メモなど。

思考整理メモ:科学コミュニケーションから考える量子力学の解釈問題(後編)

中編からの続きです。 量子力学の解釈問題について、いまの専門家たちは何と言っているか(続き) ●「うまくいっているのだから、認めよう」派 筆者は、大学2年生のときに、はじめて量子力学の講義を受けました。 その講義の先生は「量子力学にはいろいろと…

思考整理メモ:科学コミュニケーションから考える量子力学の解釈問題(中編)

前編からの続きです。 はじめに、「量子力学の解釈問題」のあらましを簡単に振り返っておきたいと思います。 量子力学では、なぜ「解釈」が必要になったのか? 前編にも書きましたが、量子力学には「解釈」があります。 考えてみれば不思議です。物理学の「…

思考整理メモ:科学コミュニケーションから考える量子力学の解釈問題(前編)

ノーベル物理学賞が発表されたばかりで、世間的には「重力波」がトレンドなのかもしれませんが、今回は「量子力学」がテーマです。とくに「量子力学の解釈問題」について、近頃考えたことを書いてみたいと思います。 量子力学について、みんな違う意見を持っ…

読書メモ:時間とはなんだろう(松浦壮著)

時間とはなんだろう 最新物理学で探る「時」の正体 (ブルーバックス) 作者: 松浦壮 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/09/20 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 現役の素粒子物理学者による、講談社ブルーバックスの新刊。「時間」の話が軸には…

読書メモ:佐藤文隆先生の量子論(佐藤文隆 著)

佐藤文隆先生の量子論 干渉実験・量子もつれ・解釈問題 (ブルーバックス) 作者: 佐藤文隆 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/09/20 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 突然ですが、量子力学の解釈問題についてどう思いますか? ……と聞かれて、…

読書メモ:物理学は世界をどこまで解明できるか(マルセロ・グライサー著)

物理学は世界をどこまで解明できるか―真理を探究する科学全史 作者: マルセロ・グライサー,藤田貢崇 出版社/メーカー: 白揚社 発売日: 2017/06/26 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 「このまま物理学の勉強(あるいは研究)を続けて、自分はどこ…

探究メモ:脳科学は記憶の仕組みをどこまで解明したのか〈番外編1:論文紹介 Neuron 2017 "Memory Takes Time"〉

以前、本ブログでは「脳科学は記憶の仕組みをどこまで解明したのか」と題した一連の記事を書きました。 rmaruy.hatenablog.com その後も、記憶研究の動向は気にするようにしているのですが、先日ちょっと面白い論文を見つけたので、ここで紹介してみたいと思…

読書メモ:自然主義入門(植原亮 著)

自然主義入門: 知識・道徳・人間本性をめぐる現代哲学ツアー 作者: 植原亮 出版社/メーカー: 勁草書房 発売日: 2017/07/25 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る 最近、科学と哲学の距離が近くなっているのだろうか。科学者と哲学者が合同開…

読書メモ:退屈なことはPythonにやらせよう(Al Sweigart著)

退屈なことはPythonにやらせよう ―ノンプログラマーにもできる自動化処理プログラミング作者: Al Sweigart,相川愛三出版社/メーカー: オライリージャパン発売日: 2017/06/03メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (6件) を見るめずらしく技…

読書メモ(再掲):かくて行動経済学は生まれり(マイケル・ルイス著)

かくて行動経済学は生まれり 作者: マイケルルイス,Michael Lewis,渡会圭子 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2017/07/14 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 『かくて行動経済学は生まれり』という邦題には意表を突かれた。副題の"Friendship"…