重ね描き日記(rmaruy_blogあらため)

読書メモ、探究メモなど。

記憶

読書メモ:精神を切る手術(橳島次郎 著)

精神を切る手術――脳に分け入る科学の歴史 作者:ぬで島 次郎 岩波書店 Amazon 生命倫理や科学政策を専門する著者による、2012年の単著。脳神経倫理では繰り返し言及される文献であり、いつか読まねばと思っていた。残念ながら絶版となっているのだが、今回意…

読書メモ:記憶と人文学(三村尚央)…記憶の何が私/私たちにとって切実なのか

記憶と人文学: 忘却から身体・場所・もの語り、そして再構築へ 作者:三村尚央 小鳥遊書房 Amazon 実家にいたころ、私の母は、毎日欠かさず一行日記をつけていた。それが全部手元にあるので、「何年の何月何日は〇〇していたよ」などと瞬時に調べてみせるのだ…

TENETメモ:『TENET』世界から生還するための「あら探し」

ネタバレは控えめですが、これから映画を楽しみたい人は読まないほうが良いかもしれません。

精読メモ:『心にとって時間とは何か』(青山拓央 著)

以下は、青山拓央著『心にとって時間とは何か』の読書会(2020年2月6日開催、@下北沢ダーウィンルーム)用に作成した、読書メモです。 【注】本メモには、丸山個人の解釈が多分に含まれ、著者の意図を曲解している点も多数あるかもしれません。メモの内容に…

読書メモ:心にとって時間とは何か(青山拓央 著)…性急で、たぶん蛇足な第一印象としての感想と称揚

心にとって時間とは何か (講談社現代新書) 作者:青山 拓央 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2019/12/11 メディア: 新書 待ちに待った、青山拓央先生の時間本が出た。出たのが今日だ。さっそく読んだ。読み終えて即、感想を書こうとしている。そのことに、後…

読書メモ:解離をめぐる2冊(柴田雅俊『解離性障害』、岡野憲一郎『解離新時代』)

解離性障害にまつわる本を二冊読んだ。 解離性障害―「うしろに誰かいる」の精神病理 (ちくま新書) 作者: 柴山雅俊 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2007/09/01 メディア: 新書 購入: 6人 クリック: 48回 この商品を含むブログ (18件) を見る 解離新時代―…

読書メモ:記憶をめぐる人文学(アン・ホワイトヘッド 著、三村尚央 訳)

本ブログでは、折に触れて「記憶の脳科学」を扱ってきた。 脳科学は記憶の仕組みをどこまで明らかにしたのか? 記憶を「書き換える」技術は、もうすぐ実現されるのか? そんな素朴な疑問から出発して、連載ブログを書いたのが1年と少し前。 そのときにたどり…

読書メモ:トラウマをめぐる3冊(ピーター・ラヴィーン著、ベッセル・ヴァン・デア・コーク著、宮地尚子 著)+中井久夫【追記】

「トラウマ」にまつわる本を3冊読んだ。 最初の2冊は、トラウマ治療に長年関わってきたアメリカの臨床医が、トラウマについての科学的知識とその治療法を解説した本。いずれも、脳だけでなく「身体」の記憶という視点を重視している。3冊目の岩波新書は、「…

読書メモ:Patient H.M. (by Luke Dittrich)

Patient H.M.: A Story of Memory, Madness, and Family Secrets 作者: Luke Dittrich 出版社/メーカー: Random House 発売日: 2016/08/09 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 患者H.M.と、彼に携わった科学者たちを描いたルポルタージュ。 言わ…

読書メモ:認識とパタン(絶版)

認識とパタン (1978年) (岩波新書) 作者: 渡辺慧 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1978/01/20 メディア: 新書 購入: 1人 クリック: 32回 この商品を含むブログ (6件) を見る 先日『知るということ』を読み直したのをきっかけに、渡辺慧の著作をいろいろと…

読書メモ:知るということ――認識学序説 渡辺慧(著)

知るということ 認識学序説 (ちくま学芸文庫) 作者: 渡辺慧 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2011/06/10 メディア: 文庫 クリック: 10回 この商品を含むブログ (1件) を見る 5年前にちくま学芸文庫から出されたこの本。 院生のときに読んでいたのだが、…