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読書メモなど

読書メモ:「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明(伊神満 著)

「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明 作者: 伊神満 出版社/メーカー: 日経BP社 発売日: 2018/05/24 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 経済学者による、経済学研究の入門書。クレイトン・クリステンセンの「イノベーターのジレンマ」を、経…

読書メモ:トラウマをめぐる3冊(ピーター・ラヴィーン著、ベッセル・ヴァン・デア・コーク著、宮地尚子 著)+中井久夫【追記】

「トラウマ」にまつわる本を3冊読んだ。 最初の2冊は、トラウマ治療に長年関わってきたアメリカの臨床医が、トラウマについての科学的知識とその治療法を解説した本。いずれも、脳だけでなく「身体」の記憶という視点を重視している。3冊目の岩波新書は、「…

読書メモ:地球にちりばめられて(多和田葉子)

地球にちりばめられて 作者: 多和田葉子 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2018/04/26 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 面白かった。 以下は、印象をとどめておくためのメモ。 * 舞台はヨーロッパ。多国籍の若者たちが出会い、意図せず…

思考整理メモ:理工書の「良い企画」についての考察

2018年のゴールデンウィーク最終日。 連休中にあれこれ考えていたことを、文章に残しておきたい。 考えていたのは、理工書の「良い企画」とは何か、について。 ※以下、主に備忘録用の、自分の仕事についてのちょっとしたメモです。多くの人には関係がないう…

読書メモ:英米哲学入門(一ノ瀬正樹 著)

英米哲学入門 (ちくま新書) 作者: 一ノ瀬正樹 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2018/04/06 メディア: 新書 この商品を含むブログ (1件) を見る 副題の『「である」と「べき」の交差する世界』に惹かれて買った。 「である」と「べき」の線引き問題につい…

読書メモ:数学がいまの数学になるまで(Zvi Artstein著)

数学がいまの数学になるまで 作者: Zvi Artstein,落合卓四郎,植野義明 出版社/メーカー: 丸善出版 発売日: 2018/03/30 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 人生で何度か、「数学は好き?」と聞かれたことがある。 そのたび、困っ…

読書メモ(再掲):知ってるつもり――無知の科学(S. スローマン & P. ファーンバック)

知ってるつもり――無知の科学 作者: スティーブンスローマン,フィリップファーンバック,土方奈美 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2018/04/04 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る ちょうど一年前に読んだ"The Knowledge Illusio…

読書メモ:数学セミナー(2018年4月号)…人はなぜ数学するのか?

数学セミナー 2018年 04 月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 日本評論社 発売日: 2018/03/12 メディア: 雑誌 この商品を含むブログ (1件) を見る 今回は雑誌の感想です。 『数学セミナー』の最新号、特集テーマが「なぜ数学を学ぶのか」。 自分で数学をするよりも…

読書メモ:The Elephant in the Brain(Kevin Simler & Robin Hanson)

The Elephant in the Brain: Hidden Motives in Everyday Life 作者: Kevin Simler,Robin Hanson 出版社/メーカー: Oxford Univ Pr 発売日: 2018/01/02 メディア: ハードカバー この商品を含むブログを見る 最近邦訳が出た『全脳エミュレーションの時代』の…

読書メモ:Enlightenment Now (Steven Pinker)

Enlightenment Now: The Case for Reason, Science, Humanism, and Progress 作者: Steven Pinker 出版社/メーカー: Viking 発売日: 2018/02/13 メディア: ペーパーバック この商品を含むブログを見る 昨年から出る出ると話題になっていた、スティーブン・ピ…

読書メモ:工学部ヒラノ教授の終活大作戦(今野浩 著)

工学部ヒラノ教授の終活大作戦 作者: 今野浩 出版社/メーカー: 青土社 発売日: 2018/01/26 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 2013年に『工学部ヒラノ名誉教授の告白』を読んだとき、私は少し焦った。いつものようにユーモアたっ…

読書メモ:近代日本150年―科学技術総力戦体制の破綻(山本義隆 著)

近代日本一五〇年――科学技術総力戦体制の破綻 (岩波新書) 作者: 山本義隆 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2018/01/20 メディア: 新書 この商品を含むブログ (2件) を見る 今年は、明治維新から150年目だという。言われてみれば、という感じだ。 150年と…

読書メモ:Altered Traits(Daniel Goleman & Richard Davidson)…「瞑想の脳科学」はどこまできたか

Altered Traits: Science Reveals How Meditation Changes Your Mind, Brain, and Body 作者: Daniel Goleman,Richard J. Davidson 出版社/メーカー: Avery 発売日: 2017/09/05 メディア: ペーパーバック この商品を含むブログを見る 瞑想の科学的研究の第一…

文献メモ:ディープラーニングを人間の学習に近づける(Lake et al. 2017を読んで)

論文を一つ紹介します。 Lake, Brenden M., et al. "Building machines that learn and think like people." Behavioral and Brain Sciences 40 (2017). https://cims.nyu.edu/~brenden/LakeEtAl2017BBS.pdf ニューヨーク大学のBrenden Lake、MITのJoshua Te…

(簡易的)読書メモ:文学問題(F+f)+(山本貴光 著)

文学問題(F+f)+ 作者: 山本貴光 出版社/メーカー: 幻戯書房 発売日: 2017/11/24 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る 以下は、とある会合の「おすすめの本の紹介文」として書いた文章。初読の印象だけの感想なのですが、記録のためにここに…

今年読んだ本で振り返る2017年

年末がやってきた。 一年早かったなあと例年思うわけだけど、今年はその「一年早かったなあ」という思いすらまだ湧き上がってこない。 でも、出来事を一つずつ思い出していくと、1年間がそれなりに厚みのある時間に思えてくるのは不思議なもの。 自分の場合…

読書メモ:自動人形の城(川添愛 著)

自動人形の城(オートマトンの城): 人工知能の意図理解をめぐる物語 作者: 川添愛 出版社/メーカー: 東京大学出版会 発売日: 2017/12/18 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る また出ました。『働きたくないイタチと言葉がわかるロボット』に…

読書メモ:勉強の哲学(千葉雅也 著)

勉強の哲学 来たるべきバカのために 作者: 千葉雅也 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2017/04/11 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (22件) を見る ずっと気になっていた本。2017年を代表するヒット本の一冊として評価されてきてい…

読書メモ:この宇宙の片隅に(ショーン・キャロル 著)

この宇宙の片隅に ―宇宙の始まりから生命の意味を考える50章― 作者: ショーン・キャロル,松浦俊輔 出版社/メーカー: 青土社 発売日: 2017/11/27 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る またもや物理学者が書いた大きな本が出た。それ…

読書メモ:脳の意識 機械の意識(渡辺正峰 著)

脳の意識 機械の意識 - 脳神経科学の挑戦 (中公新書) 作者: 渡辺正峰 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2017/11/18 メディア: 新書 この商品を含むブログ (1件) を見る この本を書店でみて意外に思った。 ひところ意識の脳科学の翻訳本が固めて出され…

読書メモ:スター・ウォーズによると世界は(キャス・サンスティーン 著,山形浩生 訳)…意外と真剣な本?(個人的な意味で)

スター・ウォーズによると世界は 作者: キャス・R.サンスティーン,Cass R. Sunstein,山形浩生 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2017/11/21 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 帯には「ハーバード大学ロースクールの名物教授が贈る画期…

読書メモ:Mathematics Without Apologies(by M. Harris)…数学者のパトスとは?

Mathematics Without Apologies: Portrait of a Problematic Vocation (Science Essentials) 作者: Michael Harris 出版社/メーカー: Princeton Univ Pr 発売日: 2015/01/18 メディア: ハードカバー この商品を含むブログを見る マイケル・ハリス(Micheal H…

読書メモ:騙し絵の牙(塩田武士 著)

騙し絵の牙 作者: 塩田武士,大泉洋 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2017/08/31 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 主人公は、大泉洋が扮する敏腕編集者。自身が編集長を務める雑誌の廃刊を食い止めるべく、八面六臂の活躍をするというストー…

【再掲】読書メモ:アルゴリズム思考術(B. クリスチャン、T. グリフィス著)

アルゴリズム思考術:問題解決の最強ツール 作者: ブライアンクリスチャン,トムグリフィス,田沢恭子 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2017/10/19 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 邦題と原題が結びつかず見逃していたのです…

読書メモ:最近読んだビジネス書5冊

最近、企業経営に関する数冊の本を読んだ。 何冊も読むつもりはなかったのだが、一冊目が思いのほか面白く、芋づる式に買ってしまった。 今回分かったのが、経営の本というのは、いっかいの会社員が読んでも相当面白いということ。とくに、10年以上前のビジ…

新刊紹介メモ:数学はなぜ哲学の問題になるのか(イアン・ハッキング著)

数学はなぜ哲学の問題になるのか 作者: イアン・ハッキング,金子洋之,大西琢朗 出版社/メーカー: 森北出版 発売日: 2017/10/07 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 仕事で関わった書籍です。 発売日に合わせ、ここでも紹介させてもらいます。 興…

思考整理メモ:科学コミュニケーションから考える量子力学の解釈問題(後編)

中編からの続きです。 量子力学の解釈問題について、いまの専門家たちは何と言っているか(続き) ●「うまくいっているのだから、認めよう」派 筆者は、大学2年生のときに、はじめて量子力学の講義を受けました。 その講義の先生は「量子力学にはいろいろと…

思考整理メモ:科学コミュニケーションから考える量子力学の解釈問題(中編)

前編からの続きです。 はじめに、「量子力学の解釈問題」のあらましを簡単に振り返っておきたいと思います。 量子力学では、なぜ「解釈」が必要になったのか? 前編にも書きましたが、量子力学には「解釈」があります。 考えてみれば不思議です。物理学の「…

思考整理メモ:科学コミュニケーションから考える量子力学の解釈問題(前編)

ノーベル物理学賞が発表されたばかりで、世間的には「重力波」がトレンドなのかもしれませんが、今回は「量子力学」がテーマです。とくに「量子力学の解釈問題」について、近頃考えたことを書いてみたいと思います。 量子力学について、みんな違う意見を持っ…

読書メモ:時間とはなんだろう(松浦壮著)

時間とはなんだろう 最新物理学で探る「時」の正体 (ブルーバックス) 作者: 松浦壮 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/09/20 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 現役の素粒子物理学者による、講談社ブルーバックスの新刊。「時間」の話が軸に…